子どもをどんな人に育てたいですか?
という質問にはいろんな答えが返ってきます。
それぞれの家庭、それぞれの親の考え方で違ってくると思います。
そして、親はいつも子どもが自分のもとを離れても困らないようにと考えているのは当然のことでしょう。
しかし、時々こんな方がいらっしゃいます。
「人に優しくできる人のお役に立てる子になってほしいですね」
とてもよくわかります。
社会に出て人の役に立てる人になってほしい…
誰もが考えることだと思います。
しかし、この言葉とは裏腹な言葉かけや関わり方をしている親御さんが時々いらっしゃいます。
例えば、
人の役に立つ人は人に迷惑をかけてはいけない、品行方正でなければいけない
だから厳しく育てています。
わかるような気もしますが、これでは子どもは優しくなれません。人のために何か出来ません。
子どもは単純です。
優しくしてもらったから自分も誰かに優しくしよう!
そう思うのです。
迷惑をかけてはいけないと育てられた人は自分も迷惑をかけられたくないと思います。
先日、こんな方を見かけました。
新幹線の中で通路の向こう側に座った若いサラリーマン風の方。
座る前に座席やテーブルをすべて消毒し始めました。
お弁当や飲み物類も持たず、マスクは2枚重ねてました。コロナ感染を意識しているようです。
その席の通路側(3人席の反対側)に一人のおばさんが座り
すぐさまお弁当を食べ始めました。その間もちろんマスクはしていない。
食べ終わっても食べたものは袋に入れて座席の下に置いている。
そのうち、そのおばさんは寝てしまいました。
窓側の男性は何度も何度もその女性や座席の下に置いてあるお弁当の殻を見て嫌そうな顔をしていました。
人は自分が気を付けていることは、相手にもそうして欲しいと思います。
人の意識や考え方が違うのは仕方ないと思っていても
小さいころからの習慣は否めません。
子どもを厳しく育てると自分に厳しく品行方正な子どもに育ちますが、人にもそれを望むようになります。
「自分がやってるんだから、人にだってそうして欲しい」
あなたもそう思われませんか?
人に迷惑をかけないようにと育てると人から迷惑をかけられたくないと思うようになるのは仕方のないことかも知れませんね。
ではどのように育てればよいのでしょうか?
人に迷惑をかけた時は「ごめんなさい」が言えるように
人から迷惑をかけられても「大丈夫だよ」と返せる子に育てる。
そして、親は出来るだけたくさんの「やさしさ」で子どもに関わることではないかと思います。
優しくされた子どもはそれが当たり前だと思って育ち、
人にもさりげなく優しくできます。
そんなナチュラルな子どもがこの社会にいっぱいになってほしいですね。